シオン【完結】
「それにしても、自分が死ぬってのに感謝するだなんて。
本当に変わってるよ、君」
彼は呆れた様に両手を広げて、眉を顰める。
確かにそうかも。
でも。
「二人の未来を守れるんだから、ありがとうでしょ?」
そうやって、笑った。
多分、その笑顔は祥君が大好きだって言ってくれた笑顔だと思う。
彼が目を見張ってたから。
「…それじゃ、また明日小林遼佑が戻ると決めたら来るよ」
「うん、待ってる」
「嬉しくない言葉だね」
「あはは、そうだね」
彼の周りを光が包む。
まばゆい光に目が眩みそうになったけど。
その一部始終を私は黙ったまま、見つめた。