シオン【完結】
それから、ぽうっと光が日記帳を包んだ。
……やっぱりか。
その光から、彼も現れる。
「……待ってたよ」
「嬉しくなさそうだけど」
「ちょっと、うん、複雑かな。
でも、遼佑なら戻ると思ってたから」
「そっか」
眉を顰めるでもなく、彼は淡々とそう返事をすると日記帳を手にした。
どうやら彼は大きくもなれるらしい。
目の前で突然大きくなって、それに少しだけ驚いた。
大きくなったって言っても、子供の姿ではあったけど。