シオン【完結】
「それじゃあ」
「うん」
「今度はあっちで待ってるってボクが言う番かな」
「…そうだね」
「嬉しくないでしょ?」
「そうでもない」
「そう?」
「ふふ、うん」
「そっか」
「話してくれる?」
「もちろん」
「ありがとう」
「どういたしまして」
そう言うと、彼が光に包まれて行く。
その姿を私はじっと黙って見送った。
やがて、暗闇が訪れると私はぽつりと呟く。
「……遼佑。愛してる」
そして、私の意識は薄れて行った。