シオン【完結】
覚悟
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―――――今日はクリスマスだ。
まあ、俺にはそんなモノ関係なくって、普通にバイトを入れているのだけども。
終わってからも。
ケーキを買う気にもなれないし、チキンを食う気にもなれなかった。
普通にお弁当を買うと、自宅に向かう。
「…さみ~」
部屋に入り、靴を脱ぎながら思わずそう口にしていた。
マフラーを解きながら、Pコートのボタンに手をかけてる時だった。
「やあ」
突然、そう声がかかって俺はその声がした方を振り向く。
驚きで、多少後退りしていた俺をそいつは見てクスクスと笑っていた。
「久しぶり…ってもそんなでもない?」
口元に孤を描きながら、そいつ、―――天使の使いの男の子は腕を組む。
「…何で?」
どうにかそう言った俺に、男の子はまた可笑しそうに笑った。