シオン【完結】

「何でだろうね。何だと思う?」

「……」


黙ってしまった俺の言葉を待つけど、痺れを切らした男の子は頭の後ろで腕を組みながら口を開く。


「クリスマスでしょ?聖なる夜でしょ?」

「……」

「そうしたら、プレゼントじゃない?」

「……は?」


意味が、わからない。


「まあー。それを渡そうとした本人は喜ぶかわかんないって言ってたけど」

「……」


どういう事だ?

様子を窺う様に、じっとその場で男の子の動向を見つめる。


男の子はにっこりと微笑むと、両手に何かを掲げながら


「じゃっじゃーん」


と誇らしそうに言った。

< 199 / 236 >

この作品をシェア

pagetop