シオン【完結】
「何でだろうね。何だと思う?」
「……」
黙ってしまった俺の言葉を待つけど、痺れを切らした男の子は頭の後ろで腕を組みながら口を開く。
「クリスマスでしょ?聖なる夜でしょ?」
「……」
「そうしたら、プレゼントじゃない?」
「……は?」
意味が、わからない。
「まあー。それを渡そうとした本人は喜ぶかわかんないって言ってたけど」
「……」
どういう事だ?
様子を窺う様に、じっとその場で男の子の動向を見つめる。
男の子はにっこりと微笑むと、両手に何かを掲げながら
「じゃっじゃーん」
と誇らしそうに言った。