シオン【完結】
俺は表紙を捲った。
目に飛び込むのは、懐かしい久美の文字。
そこには祥太郎との思い出がツラツラと書かれていた。
告白されて付き合った事とか、どこに行っただとか。
きゅうっと胸が締め付けられる様に痛い。
祥太郎への想いがここには詰まってて、苦しい。
俺を助ける為に、祥太郎が死んでしまって。
久美はどう思ったんだろうか。
時間も忘れて、弁当を食う事だって忘れて、俺はその日記帳を読み進めて行く。
その俺の手はあるページで止まった。
「…これ」