シオン【完結】
プレゼント
お風呂から出た久美はさっぱりした様子で、俺に笑顔を向ける。
「気持ちよかった。遼佑も入るでしょ?」
「うん、入る。あ、久美。さっき携帯鳴ってたぞ」
「え?本当に?」
「でも、その前に髪の毛乾かしておいで」
「はーい」
渋々、ドライヤーを手に取ると髪の毛を乾かし始める。
その久美を横目に俺は風呂へと入った。
暫くして、髪の毛を乾かし終えた久美が部屋へと戻る。
そして。
「遼佑!!!」
と、浴室のドア外から大きな声で俺を呼ぶ声がした。
「なーに」
「バカーーー」
「えええ?」
それに、俺の口元はにやけっぱなし。
さっき入れたネックレスを見つけたんだろう。
慌ててる久美が面白くて、クスクスと笑った。
ちょうど洗い終えたから、扉を開けるとそこには。
目に涙を溜めた久美が立っていた。