シオン【完結】
「今日は10月7日水曜日、俺の誕生日まで後3日ですね」
「……いらん情報まで」
「何を!?」
そう、憎まれ口を叩いたけど。
……期限は後2日だ。
それまでにあの事故の時をもっと詳しく思い出さないといけない。
忘れようとした事は何度もあったけど、思い出そうとした事がなかったから。
「…祥太郎、プレゼント何がいい?」
「え」
制服から体操服に着替え終えた俺達はグラウンドに向かう。
突然の俺の申し出に祥太郎は目を真ん丸にして驚いている。
「どした。こないだまでうまい棒10本だって言ってなかったか?」
「言ったっけ、そんな事」
うわあ、俺ってそんな事言ってたんだっけ。
思い出せない。けど、祥太郎とそんな事言ってふざけ合ってたんだよな。