シオン【完結】
「俺がうまい棒の納豆味が好きだって言ったら、それ10本やるって」
「ぶは、俺って優しい」
「酷いの間違いだろ」
中身は一応19なのに、中学生に戻ったみたいだ。
精神年齢低いのかな、俺。
なんて、苦笑した。
普通に打ち解けられてる自分に驚く。
「ま、ケーキでも買ってくれよ」
「おう」
目を細めて笑う祥太郎に、俺も釣られて笑顔になった。
思い出しながらやっていたけど…。
正直、練習が凄くきつかった。
運動なんて中学卒業してからロクにやってなかったし。
筋トレはしてたけど。
だから、走り込みとか苦しくて仕方なかった。
昔の俺って凄かった。しみじみ思う。
若さって凄い。
きっと、体は中学生のままなんだろうけど気持ちの面でついてけない。
水飲み場で顔を洗いながら、肩で息をする。