シオン【完結】
「なんか、りょー今日へばってねえ?」
そう、練習後に声をかけて来た祥太郎。
タオルで汗を拭きながら、俺に笑いかける。
「…るせー」
こっちは数年振りの部活なんだよ、畜生。
出しっぱなしの水を、隣でケラケラ笑う祥太郎に思いっきりかけてやった。
「うっわ!おま!最悪だ!この野郎!」
そう言いながら仕返し!と、水を俺にもかけてくる。
「やめろ!うわ!」
そうやって水をかけあってきゃあきゃあ遊んでると、
「こらーーーーー!!!」
と、コーチの怒声が聞こえた。
こっぴどく叱られて、二人して肩を竦めた。
コーチが後ろを向いた後、俺と祥太郎は思いっきりあっかんべーをする。
その時。
背中から、笑い声がして二人して振り向いた。