シオン【完結】

保健室に入り、先生に伝えるとベッドに横になってていいと言われて一応ベッドに潜り込む。
完璧仮病。

何やらかしてんだ、俺。

久美と祥太郎の前から逃げたも同然じゃねえか。


昔は久美に恋愛感情なんかなかったから、きっと笑ってさんきゅーとか言ってた筈なのに。


冷静に考えて、馬鹿な事をしてしまったと思う。
はあ、昨日も久美を抱き締めたんだ。


冷静になれなくてもおかしくはないよな。
頭ではわかってても、心が整理しきれん。



はあっと溜め息をついてから、俺は目を閉じる。


今の俺の目的は違うんだから、落ち着こう。
よし、一旦寝よう。

少し休めばきっと大丈夫。


そう決めて、俺は眠りに就いた。


目を覚ましたのは、祥太郎の声で。


「おーい、平気かー」


思いっきりしかめっ面をして、俺は薄らと目を開ける。
病人は寝てたら寝かしておくべきだろ。

いや、仮病だけど。
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