シオン【完結】
「何、その顔。心配してるのに」
「寝かせておけし」
「えー、もう昼になるぜ」
「…まじで」
思った以上に寝てしまったらしい。
のそっと起き上がって、俺は一度伸びをする。
それから、気持ちよかった布団から這い出た。
「ぐっすりだったな」
「…なー」
「良くなったか?」
「おう」
寝たら予想以上に体が軽いぜ。
思ってもなかった事が現実に起きてるから、精神的に疲れてたっぽいし。
「今日の給食、はんばあぐなんだから」
「なんだよ、はんばあぐって」
「えー。ハンバーグじゃ、普通じゃん」
「意味わかんね」
先生に声をかけてから保健室を出る。
廊下を歩きながら、祥太郎とそんなクダラナイ事で笑い合った。