シオン【完結】
「もう、大丈夫なの?」
さっき、あんな事言ったのに久美は笑顔でそう尋ねて来る。
俺は曖昧に頷く。
「平気。さんきゅ」
「ううん。いいなー私も寝たい」
「コラ、久美のはサボり」
そう言って祥太郎が久美の頭をコツンとする。
……それに俺もサボり。だとは言えなかった。
「あ。そだ。りょう、今日の部活どうすんの?」
「さっき寝たらよくなったし、出る」
「よかったわ、あー腹減ったー」
それから、給食を食べて昼休み、祥太郎とふざけ合って遊んだりした。
午後になると、授業を受ける。
久々の授業。
現役大学生舐めんなよ。
…、と思ったけど。
意外と歴史とか忘れてるな、と自分に苦笑した。
まあ、出来ないわけじゃなかったけど、思い出せない箇所も結構あった。
テスト期間でなくてよかったな、と変な事を考える。
授業を全部終えて、祥太郎と部活へと向かった。