シオン【完結】

バスに乗って、霊園に辿り着くと俺達はお墓の前に立つ。
既に誰かの手によって清掃されたお墓。
ちょっとだけ傷んだ花をとって、久美が持って来たお花を活ける。


線香の匂いに囲まれながら、俺達は手を合わせた。




【小木家之墓】

そう、描かれた墓石を見つめる。




小木祥太郎。



俺達と同級生で。
俺の親友で……








―――――――――久美の彼氏だった。

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