シオン【完結】
それに、俺も共感した。
だけど、今は未来も大事だと思う。
未来から過去に戻った俺だから、説得力はあるはず。
「はあ~また続きが気になるぜ」
とりあえず、弾丸だけ読んだのか、ジャンピングを胸に置くと余韻に浸っている。
それに苦笑しながら、俺は部屋着に着替えた。
「…あ、そう言えばお前家族と出かけてたんじゃなかったのか?」
「………」
…それも、すっかり抜けていた。
「りょうの母ちゃん出て来てりょういないって聞いた時、ちょっと驚いたし」
「ああ、うん、先に帰って貰った。寄りたいとこあったから」
動揺してなかっただろうか。
着替えてたから、顔を見ずに言えた事だけが助かった。
「ふ~ん。そっか。なあ、お前好きなヤツとかいないの?」
「はあっ!?」
何だよ、そのガールズトークみたいな質問は。