最強の嘘つき。
Spring
私、橋本菜緒は…今日、花崎高校に入学した。
私立高校で、3年前に出来たこの学校。
綺麗すぎて校舎に入るのが怖かった。
校舎内は広いし…1人で来た方向音痴の私は、さっそく迷子になり、生徒会のお世話になってしまった。
今は入学式が終わり、LHR(ロングホームルーム)の時間。
薄らハゲの白川先生の話。
長い。
長い。
とにかく長い。
クラスメートは長い先生の話の最中にほとんどが会話し始めて、いつの間にか…まともに聞いている人の方が少なくなっていた。
私の席は、窓側の1番後ろ。
話は聞かずに外を眺めてた。
「あのっ…」
女の子のか細い声がした。
聞こえるか!?くらいの声だったから、ついに幻聴が!?と思った。
隣の席の女の子だった。
髪はツインテールで茶髪のくるくるカール。目はぱっちり二重の可愛い子。
「えっと…?」
恐る恐る私も話す。
ビクビクしてるその子は、今にでも壊れるんじゃ!?と思うくらい怯えてた。
「あのっ…私…白川璃子です。三中出身ですっ…」
自己紹介して落ち着いたのか、ほっとため息をついた白川さん。
可愛い。
「私は、橋本菜緒。呼び捨てでいいよ!
五中出身だよ!よろしくね!」
「あ、よろしくお願いします…な、菜緒…。」
「敬語やめてよー。璃子!!」
驚いた顔で頷いた彼女はほんとに可愛いかった。
茶髪で、二重の私。
茶髪で二重は一緒なのにこうも雰囲気が違うとは…正直驚いた。