秘密
美春は決めたことは、断固として変えない。

だから、言うだけ無駄なのだ。

しばらくしたら、落ち着くでしょう。


しばらく、美春のことは見守ることにしよう。


それよりも、問題は加賀美さんだ。


やっぱり、どこかで会ったことあるのかなぁ。


昨日から考えてるけど、全く思い出せない。

「はぁ〜」


ため息もでちゃうよ。


「そういえば、もうすぐ夏休みだね…毎年楽しみだったのに、今年は全然嬉しくないわ…」


美春がポツリと。


「何で?来年は、就活とかで楽しめないけど今年は何にもないでしょ?」


「実はさ、教育実習があるんだよ〜。教師になるための、避けては通れない道…」


そっか。教育学部は、実習があるのか。


美春は、教育学部だ。
私は国際学部。

幾つかの授業は、被ってるけど基本授業は違う。


「そんな時期かぁ。私が学生の時にも来てたなぁ…そういえば」


懐かしい…


「あれ…教育実習?」



加賀美…何だっけ、下の名前。


「美春!加賀美さんの下の名前って覚えてる⁈」


「えっ?加賀美さん?えーと、確か…加賀美遊?だったような。橋本さんが遊って呼んでた気が」



「‼︎」


思い出した!加賀美先生だ。


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