秘密
加賀美 遊。


加賀美先生。

私が高校3年の時に来てた、教育実習生。

3年2組…


確か、加賀美さんも言ってた。

私のクラスだ。


でも、加賀美先生とはそんなに思い出ないんだけど…


ただの、実習生と学生。


クラスでも普通の生徒だった私は、特に加賀美先生と話した記憶もない。


そりゃあ、あいさつとかはしてたとおもうけど。


個人的な会話はした覚えがない。


加賀美先生は、当時からかっこよかったから、女子の中でも人気だった。


中には、本気で好きになった子もいたみたいだし…


そうだ…

確か、告白現場を偶然見かけたことがあったな。





『好きです!加賀美先生』


えっ?ヤバイ…

タイミング悪すぎる。


『ごめん…生徒のことそんな風に見れないんだ。気持ちだけもらっとくよ』


ぷっ。気持ちだけだって。


絶対思ってないよな、あれは。


たまたま、体育館裏を通ってしまった私。

声がして、2人の存在に気がついたけどもう遅かった。


加賀美先生って、実習生じゃん。


2人に見つからないように、物陰にこっそりと隠れるように身を屈めた。


そうだ、ここ。有名な告白スポットだったな…なんて思いながら、早く終わらないかと待つ。


ここを通らないと教室に戻れない。



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