秘密
「葵?ちょっと、大丈夫?」


美春の声でふと我に返る。


あー。思い出しちゃったよ。加賀美さん。



まさか、教育実習生の先生と合コンで再会なんて最悪じゃん。



でも、今教師してるってことは、当時から教師目指してたんだ。


あの時の先生の言葉、本当だったんだな。


実習のことで一杯っていうのは。


女子生徒を振るための口実だと思ってた。

ごめんよ、先生。


心の中で謝ってみた。


思い出したら連絡…なんて、しないけどね!

そもそも連絡先知らないし。

まぁ、幹事を通じて教えてもらうこともできるけど。そこまでしようとは思わないし。

連絡したからって、どうなるわけ?

思い出したよー先生!とか?

私のキャラじゃないな…うん。

やめとこう。



「それよりさぁ、美春!ノートお願いだよ。ちゃんと、合コン参加したんだからね」

「あぁ、はいはい」



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