秘密
その日も、授業が終わりいつものように家に帰るために駅に向かう。


すると、大学の門の所で女子の軍団が群がっていた。


なんだ、あれ?


「きゃー、かっこいい!」

「誰か待ってるのかなぁ?」

「声、掛けてみる?」



誰かいるのかな?


うーん、それにしてもこんなところに群がってたら邪魔じゃんかぁ。


人を待つならもっと違うところで待てばいいのに。


視線、痛くないのかな?

あっ、イケメンなら慣れっこなのか。




自分には関係ないと思いながら、女子の群れを交わしながらチラリと横目でその人を確認してみる。


どれほどのイケメンなんだろう…



って、あれ?

あれあれ?


もしかして、あそこで佇んでるスーツを着たイケメンさんって…


「か、加賀美さん…?」

門の横でスラリと立ち、手元の携帯を見ながらチラリチラリと門の中を確認している。


すると、バチっと加賀美さんと視線が合ってしまった。


「あっ…」

いや、でも私を待ってたとは限らないし!

昨日の合コンで、私が帰ったあと気に入った子がいたのかも!


自意識過剰だわー、私。気をつけよう。






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