秘密
ガシっと、腕を掴まれてそのまま引っ張られる。


「???」


されるがままの私は、加賀美さんについて行くので精一杯だ。


「ちょ、何処にいくんですか?」

「来ればわかる」


加賀美さんはそれだけ言うと、掴んでいた腕を離して手を握った。


何、これ…


加賀美さんの考えてることがわかんないよ。






「で、思い出した?」

「…はい」



加賀美さんに連れて来られたのは駅の近くにあるカフェだった。



「あっ、好きなの注文していいよ」

ほいっとメニューを渡される。

…好きなものって言われても。奢ってくれるわけ?


「カフェオレで…」

「そんだけでいいの?お前、本当に女子か?」


「なんで、そこで女子がでてくるんですか⁈関係ないじゃないですか。いいんです、喉乾いてるんで」


「ふーん。せっかく奢ってやるって言ってんのに…もっとケーキとか頼んだらいいのに」



今まで、どんな女子と付き合ってたんだ?的な発言。


「奢られるの好きじゃないんです。なので、ここもちゃんと払いますから」


加賀美さんが、カフェオレと自分のアイスコーヒーを、注文してくれる。


注文もスマート。
店員さん、チラチラと加賀美さんのこと見てるし。

やっぱり、かっこいいんだよな。

今も昔も。

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