秘密
「一色って、彼氏いんの?あっ、でも昨日合コン来てたから、いないか」


注文したカフェオレとアイスコーヒーがやって来て飲んでいると、加賀美さんが言った。


「昨日は、友達の付き添いで参加しただけで…」

美春の付き添いだし。

「…いるのかいないのか、どっちなんだよ?」

何故か怒ったような口調にビクビクする私。

思わず、「いないです!」と言ってしまった。


しまった…勢いで。

そんなこと聞いてどうすんだろう、加賀美さん。


「一色、携帯貸して」

ほれ、と手をホイホイと催促する加賀美さん。

「⁇」

訳も分からず言われた通りに携帯を加賀美さんに渡す。


私の携帯を受け取った加賀美さんは何やら操作しだす。


「暗証番号、何?」

「えっ、0502です」

しまった!
言ってから気づく。

むやみに教えてしまったよ、暗証番号。


「はいよ。登録しておいたから。俺が連絡したら必ず出ろよ」


はっ?

そう言われて携帯を返された。


見ると、電話帳に加賀美さんの名前が。


何を勝手に…

「忙しい時は出ませんよ。私も暇じゃないんです」


「はっ?」

「えっ?」



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