秘密
うーん。加賀美さんが何を考えてるのかわからん…


あの後、駅であっさりさよならして帰ってきたけど。

一体、何をしたかったんだ?

私が加賀美さんを覚えていたか、確かめたかっただけ?

それとも、アドレス交換したかったとか?



「……」


うん、まず後者はないな。


『お前、全部思い出してないだろ』



思い出すって何を?

私と先生の関係って、ただの生徒と実習生だったはず。



「そうだ!」


本棚にある一冊のアルバムを久しぶりに手に取る。


高校の卒業アルバム。




何か思い出すかも。


えーと…2組はっと。

「あった…」


そこにはどこか少しあどけなさが残っている自分が写っている。


「やっぱり、童顔」

たいして、変わってないなぁ私。


加賀美さん、写ってないかな?


ページをめくり、加賀美さんを探す。


たった、1ヶ月だもんなぁ。居たの。

写って無いかも。


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