秘密
「わっ。やばい!遅刻する!」


もう、何でこんな日に限って寝坊するかなぁ私!


ドタバタと部屋を走り回ってると、

「もうー。何してるの?高校に行くんでしょ?自転車で行ったら15分もかからないじゃない」


見かねたお母さんが、さらりと言う。



「…本当だ!」



いつもの癖で、大学の方までの時間考えてた!



良かった…余裕で間に合う。




「よし。お弁当も持ったし…じゃあ行ってきまーす」


「行ってらっしゃい…ところで、葵。デート?」

「はぁ⁈」


玄関先でのまさかの爆弾発言。


「違うってば!高校時代の先生に呼ばれただけだよ!昨日も言ったじゃん⁈」


「そうだけど…何か今日の葵、色っぽいだもん」


だもんって…40過ぎの大人が。



「これのどこが色っぽいのよ。デニムだよ?」


「何て言うか、顔つき?」


「…お母さん。そんなことないから!もう、急いでるから行くよ!」


「はいはい…気をつけてね。お泊まりなら連絡しなさいよー」


「しないってば!」



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