秘密

接近

久しぶりに自転車で高校まで行く。


あぁ〜懐かしい。


高校3年間、この道を通ってたんだなぁ。

この商店街も、よく寄り道したアイスクリーム屋さんも。

卒業してから、ご無沙汰だなぁ。



自転車を漕ぎながら、昔を思い出す。

片道15分があっという間に感じた。


「ふぅ…」

着いた。


校門の前で自転車から降りる。


遠くから生徒の声が聞こえてくる。


部活か何かかな?

今日は土曜日。

授業はないはず。

「お前、自転車で来たのかよ」


すると、校舎の方からゆっくりと加賀美さんが歩いてやって来た。

「加賀美さん。だって、私、高校3年間自転車通学ですよ?」


「歩け!どうせ、運動不足だろ?」

ニヤリと笑う加賀美さん。


「うっ…」

痛いところをついてきたな。


確かに、最近運動らしい運動はやってないけどさ。


加賀美さんに、ズバリと言われてムッとする。

「何、膨れてんだよ。まぁ、ちょうどいいか…お前のその運動不足、解消してやるよ」


「へっ?」




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