秘密
マジマジと見てしまう。

あー、やっぱりスーツ男子ってかっこいい。


「じゃあ、全員そろったんでもう一回乾杯しよっか。遊、ビールでいいよな?」


「あぁ」


そして、もう一度乾杯をする。

「あっ、こいつ加賀美 遊ね。
こう見えて、高校教師なんだよ。見えないだろ?」


何故か幹事さんが、友達の自慢をし始める。


確かに加賀美さんは、教師っぽくない。

背も高くてかなりのイケメン。


教師というより、仕事の出来る商社マンって感じ。



「どこの高校なんですかー?」

美春が、加賀美さんに質問する。

あっ、食いついた。

そういえば、美春は小学校の先生目指してるんだよね。


「…青藍高校」

えっ?青藍高校?

加賀美さんが働いてる高校は、何と私の母校だった。

へー。そうなんだ。今はこんな若い先生いるんだ。

私の時は、男の人っていったらおじいさん先生しかいなかったよ。



「青藍高校?あれ…?
葵、たしか青藍じゃなかった?」


美春が私の母校だと気づく。

「えっ?そうなの?」

加賀美さんが私の方に向き直す。


「まぁ。はい…」

「名前、何て言うの?」


「えっ?」

「あんたの、フルネーム」






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