秘密
「昨日、加賀美さんと何かあったでしょ?」


次の日、美春は私と会うなり言った。


「別に?」


咄嗟に嘘をつく。


だって、言えるわけないじゃん!


初対面(たぶん)の人にキスされたなんて。


美春にも言えないよ。


「本当に〜?葵が帰った後、加賀美さん超機嫌わるかったんだけど」

「えっ?」

機嫌が悪かった?

良かったの間違いじゃなくて?


私のこと、からかったんじゃないの…


分からないよ、加賀美さん。



「よくわかんないけど…別に何にもないよ」


「そう?」


「うん。それより、美春は?浮気出来たの?」

すっかり忘れてたけど、合コンに参加した理由は美春の浮気?に付き合うことだった。


「今度、ご飯行くことになったんだー。橋本さんと!」


「橋下さん?どの人だっけ?」


自己紹介あったはずなのに、すでにやる気なしだった私は、名前なんて覚えてないよ。


「もう、幹事だった人だよ!眼鏡の」


「あぁ。あの人ね。今の彼氏より気になるの?」


「別に?ただ、違う人と久しぶりにデートしてみたくなったの」


えへっ。

と笑いながら話す美春。

おぉ、小悪魔。

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