初恋の結晶
「ねぇねぇ、梓」
「?」
「梓は、僕のどんな所が好きなの?」
「えっ…えっ!?」
いきなりの質問に
戸惑う梓。
「え、えー…と」
顔を真っ赤にして、
うつむいたまま黙っている。
うーん…。
さすがにらからかきすぎたかな?
「…ごめん、ごめん。なんでもないよ」
「そ、そうなの?…うん、そうだよね!」
自分に言い聞かせないでくれるかなぁ??
聞きたくなっちゃうだろ…?
「じゃ。勉強しよっか」
「え……」
一瞬にして消える笑顔。
「はい、参考書」
「…伊織キライ」
「えー。僕は、好きだよ?」