本気の恋、始めました
着いたのは海。
まだ6月。
あまり人は居ない海辺は
潮風が心地よくて
寄せては返す波の音がイライラしてた気持ちを落ち着かせてくれた。
そのせいなのかもしれないけれど
私は勝手に歩き出した涼我の後ろを
何となくだけど追いかけた。
「ちょっとどこまで行くの?」
「もう少しだから黙って付いて来い。」
言われるままにトボトボと付いていく。
そんな涼我が歩くのを止めた場所は
岩場と岩場に挟まれた
あまり広くない砂浜…
…綺麗
偶然流れ着いたんだろうけど
ベンチのように流木があって何だか落ち着く場所だった。
流木に先に座った涼我
「来いよ。」
そう言われて素直に歩き出すのは
この場所のせい。
涼我の隣に腰を降ろした。