本気の恋、始めました
寝てばかりの涼我が
私の存在なんかに気付いてるわけもなく、私がバイク通学を見たことすら
忘れてるかもしれないけどね。
「そろそろクラスにも慣れただろうから席替えでもするか?」
担任の思い付きの提案に
クラス中が大きな歓声を上げた。
さすがにこの歓声、いつも寝てる涼我も目を覚ました様子。
まぁまだ状況は飲み込めてないんだろうけどね。
大歓声の中始まった席替えはクジ引き。
「美羽、席どこ?」
「ぇ~っと…窓際の一番後ろ~ハルは?」
「いいなぁ~あたしなんて最悪!!!
ローカ側の一番前!!!」
「ハル最悪じゃん。まぁ教壇の前じゃなかっただけマシだと思うしかないね…」
「まぁ~そうだけどさ…」
「ほら決まったらさっさと机移動しろ。」
担任の急かす声で皆が一斉に机を動かし始めた。