博士と秘書のやさしい恋の始め方
「このまえも和食で、今日もまた和食になってしまいますが」
「大丈夫です。大好きですからっ」
あっ……。
今の言い方って、なんかちょっと恥ずかしかったかも……?
先生のことが大好きだから、きっと先生と一緒だったら何を食べても楽しいから。
そんなふうに聞こえちゃった?
いや、別に……それも本当のことだし、そう思われたって困ることはないじゃない。
っていうか――私ってば、気にしすぎっっ。
「俺も好きです」
「ええっ」
「和食」
そうですか……和食が、ですね。
なんとも気恥ずかしいやら、ちょっと恨めしいやら、先生の涼しげな横顔を見つめた。
「ヘルシーですもんね、和食」
「山下さんとなら、たぶん何食べても美味いですよ」
「え?」
先生、今なんて?
「すごく美味そうに食べるから、山下さん」
どーん。
それじゃあまるで私が色気より食い気の女みたいじゃないですか……。
「なんか素直に喜べません」
「喜んでください」
「先生はやっぱり意地悪です」
「美味いもんご馳走しますから」
「釣られませんよ」
「後悔しますよ? 素直に釣られておきなさい」
先生の余裕綽々の表情が、ちょっと悔しくて、すごく嬉しい。
まだまだ夜は始まったばかり。
そう思うとワクワクして、そして――すごくドキドキした。
素直に釣られるから、連れて行ってください。
どこへでも、どこまでも。
先生と一緒に夜を越えるつもりで、こうして隣にいるのだから。
「大丈夫です。大好きですからっ」
あっ……。
今の言い方って、なんかちょっと恥ずかしかったかも……?
先生のことが大好きだから、きっと先生と一緒だったら何を食べても楽しいから。
そんなふうに聞こえちゃった?
いや、別に……それも本当のことだし、そう思われたって困ることはないじゃない。
っていうか――私ってば、気にしすぎっっ。
「俺も好きです」
「ええっ」
「和食」
そうですか……和食が、ですね。
なんとも気恥ずかしいやら、ちょっと恨めしいやら、先生の涼しげな横顔を見つめた。
「ヘルシーですもんね、和食」
「山下さんとなら、たぶん何食べても美味いですよ」
「え?」
先生、今なんて?
「すごく美味そうに食べるから、山下さん」
どーん。
それじゃあまるで私が色気より食い気の女みたいじゃないですか……。
「なんか素直に喜べません」
「喜んでください」
「先生はやっぱり意地悪です」
「美味いもんご馳走しますから」
「釣られませんよ」
「後悔しますよ? 素直に釣られておきなさい」
先生の余裕綽々の表情が、ちょっと悔しくて、すごく嬉しい。
まだまだ夜は始まったばかり。
そう思うとワクワクして、そして――すごくドキドキした。
素直に釣られるから、連れて行ってください。
どこへでも、どこまでも。
先生と一緒に夜を越えるつもりで、こうして隣にいるのだから。