博士と秘書のやさしい恋の始め方
我がままありのまま、私はまるで飛びかかる猫にように彼にワシッと抱きついた。
「“Trick or Treat?”。乾きものだけじゃなくて、甘いものも食べたいです」
「残念ながら気に利いた菓子はないな」
「しょんぼりです……」
「すまない……。かわりに悪戯なり何なりするといい」
そうして彼はなかなか潔いことを言いながら、ソファーに私を押し倒した。
「靖明くん。本当に悪戯される気あるんですか?」
「もちろん」
私のこと、ソファーの上に組み敷いておいて?
まあ、真剣にふざけようとする心意気(?)は買うけれど。
「私、チョコとビスケットが合体したみたいなやつが食べたかったです」
恨めしそうに言いながら彼の眼鏡をそっと外す。
今ではもうずいぶん見慣れた素顔だけれど、やっぱりちょっとドキドキする。
「あいにく魔法使いじゃないんで。覚えておくから、また今度」
「約束ですよ」
「約束だ」
約束のしるし、とでも言うのかな? 唇に優しいキスがふわりとひとつ。
「“Trick or Treat?”。乾きものだけじゃなくて、甘いものも食べたいです」
「残念ながら気に利いた菓子はないな」
「しょんぼりです……」
「すまない……。かわりに悪戯なり何なりするといい」
そうして彼はなかなか潔いことを言いながら、ソファーに私を押し倒した。
「靖明くん。本当に悪戯される気あるんですか?」
「もちろん」
私のこと、ソファーの上に組み敷いておいて?
まあ、真剣にふざけようとする心意気(?)は買うけれど。
「私、チョコとビスケットが合体したみたいなやつが食べたかったです」
恨めしそうに言いながら彼の眼鏡をそっと外す。
今ではもうずいぶん見慣れた素顔だけれど、やっぱりちょっとドキドキする。
「あいにく魔法使いじゃないんで。覚えておくから、また今度」
「約束ですよ」
「約束だ」
約束のしるし、とでも言うのかな? 唇に優しいキスがふわりとひとつ。