博士と秘書のやさしい恋の始め方
翌朝、起きてすぐパソコンを開いて自分の村へ行ってみると「お知らせ」の文字が点滅していた。

確認すると、ニュートリノさんが友達申請を承認しましたとのこと。

とりあえず、ほっと一安心。

と、思ったら――。

「プレゼント!?」

ニュートリノさんから、メッセージとプレゼントが届いていた。

《友達申請ありがとうございます。こちらこそよろしくお願いします。》

なんともあっさりした文面だけど、とっても嬉しかった。

そして、プレゼントはなんと、ピンクの貝殻のネックレス! 

きっと、あの砂浜で貝を拾って作ってくれたんだ。

その姿を想像するとやっぱりちょっとおかしくて、くすすと笑いがこみあげた。

これはすべてゲームの世界のこと。

なのに――その素敵なプレゼントに私はすっかりやられてしまった。

海辺の砂に足を取られながら貝を拾う先生。黙々と糸に貝殻を通す先生。

空想……いや、妄想上の田中先生は地味で真面目で可愛くて、私を思いきりキュンとさせた。

早く金曜日になって欲しい。

先生に会いたい。

先生と会って話しがしたい。

そりゃあ、この間までちょっと避けていたわけで、どんな顔していいかわからない気持ちもあるけれど。

それでも、それよりなにより、会いたい気持ちでいっぱいだった。

今のこの嬉しさや楽しさを伝えたい。

先生の声を聞かせてほしい。

心から素直にそう思った。



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