裏アリ男子にご注意ください!



どうしたんだろう?なんの話だろう?



気になってあたしはジッと安田くんを見てしまった。あたしの熱心な視線に気づいた安田くんは「俺の顔になんかついてる?」と言いながら優しく笑った。



うわあ、気づかれるくらい見ちゃってたなんて恥ずかしい……!



あたしはぶんぶんと首を横に振った。



「ははっ、澤上さんっておもしろいね。……あ、そうそう。席はね、クラス順に並んでるんだよ。だから、澤上さんはここ」



安田くんは、彼のうしろの席を指でさした。



あ、そこがあたしの席なんだ!



「ありがとう! ちょうど困ってたんだ!」



やっぱ安田くん中学のときから全然変わってない。



すごく優しい。



そう、たしか、あたしが安田くんを好きになったときも……。



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