裏アリ男子にご注意ください!
「いいの。俺は桃花ちゃんと帰りたいんだから」
「は、はい……っ」
爽太くんが、あたしと帰りたいだなんて。
神様、これは夢ですか?
でも、ほっぺたをつまんでみたら痛かった。
だから……これは夢じゃない。
「じゃあね。放課後、くつ箱のあたりで待ってる」
あたしがほっぺたをつまんだあと、爽太くんはそう言い残してどこかへ行ってしまった。
う、ウソ……今もまだ信じられない……。
しばらくぼーっとしていると、うしろからよく知った声がした。
「とーうーか!」
それは、美奈ちゃんがあたしを呼ぶ声。