裏アリ男子にご注意ください!
「な、なんですか?」
なんだかイヤな予感しかしないんですが……。
そのイヤな予感がいったいどんなものになるのか予想すらできずにあたしはグイッと近くの体育倉庫にひっぱりこまれた。
そこは体育でつかう器具なんかがたくさん置いてあったんだけど、なんだかホコリっぽくて過ごしづらそうな感じ……。
「でね、きいてほしい話っていうの、たいしたことじゃないんだけど」
都築くんはそう前置きしてあたしに言った。
どこか落ちついた様子で、不敵に。
「もし今日の安田との100メートル走に勝てたら……俺とつき合ってほしいんだよね」
「……へ?」
俺とつき合ってほしい?
ん? えっとそれ、どういうこと?
「じゃあね。俺、生徒会の仕事あるから」
あたしの回路がいくつかつながる前に都築くんはそう言って去ってしまった。