裏アリ男子にご注意ください!



でも、ちゃんとバトンをわたさなきゃ!



痛いなんて言っていられる場合じゃない。あたしたちはいまビリだ。



そして……あたしたちはやっとの思いでバトンを次の走者にわたすことができた。



いっきに押しよせてくる安心感。



「美奈ちゃんごめんねっ!」



ヒモを結んだのはあたし。



あたしの結びかたが悪くて……美奈ちゃんに迷惑をかけちゃったんだ。



美奈ちゃん、そうとう痛かっただろうに。



「いいのいいの! それより桃花は大丈夫だった?」



美奈ちゃんは本気で心配して言ってくれた。



足が痛いなんて……言うわけない。これ以上、美奈ちゃんに心配はさせたくない。



「う、うん! あたし元気だよ!」



あたしはなるべく笑って言った。



いまも足はズキズキとイヤな痛みかたをしてるけど、気にしない。



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