裏アリ男子にご注意ください!
「はやく行かなくちゃ! まにあわないよ!」
大変だ!
でも、都築くんはいたって平静で。
「ケガしてる澤上さん、放っておけるわけないじゃん。手当てしたら行くよ」
「ええっ、そんなあたしなんか大丈夫だよ?」
足はまだ痛いけど、きっとすぐ治るし……やっぱ、競技には行かなきゃダメだよ!
「いいのいいの、気にしないでよ。ほら、はやくケガしたところ見せて」
「……うん」
都築くんがそう言ってくれるなら……甘えちゃおうかな。
あたしはくつ下をぬいでケガをしたところを見せた。
「うわー、けっこう腫れてるね。折れてはないみたいだけど……とりあえずシップ貼っとこうか」
都築くんは「よくこんな状態で走ったね、バカだね」なんてつぶやきながら手当てをしてくれる。