裏アリ男子にご注意ください!
「澤上さん、俺の名まえ覚えてる?」
都築くんはジリとあたしに近づいてきた。
あたしは都築くんによって壁に追いやられるかたちになる。
なんだかこれ、少女マンガでよくみる体勢じゃない?
なんかこう、まるで……都築くんがあたしにキスを迫っているみたいだ。
まあ、でもきっとそんなことはないけどね。
それよりもあたしは、都築くんのその質問の意図を理解しかねていた。
「え、都築くんの名まえ……?」
「うん、答えて」
都築くんは真剣な表情。
そこまで言うなら、と思ってあたしは答えた。