裏アリ男子にご注意ください!



そんなことを思っていたときだった。



ドンドン、と倉庫の扉を外から叩く音がしたとともに。



「そこにだれかいるのか! ここは一般生徒は立ち入り禁止だぞ!」



……竹刀常備の鬼の体育教師、宮口先生の声がきこえてきた。



ウソ、ここって立ち入り禁止だったの?



これはちょっとまずいんじゃない? 扉、あけられちゃうかな?



「……オイ、隠れるぞ!」



どうしようか迷っていると、誠がそう耳もとでささやいた。それと同時に倉庫の奥へ引っぱりこまれるあたし。



「わわっ……!」



突然からだが動いたことに驚きつつも、声のボリュームは最小までおとす。



< 203 / 338 >

この作品をシェア

pagetop