裏アリ男子にご注意ください!
まあ、お世辞なんだろうけどさ!
「そいつは彼女」
あたしがちょっと考えている間に、誠はチラッとあたしをみたあとどこか自慢げに言う。
「へえ、彼女!」
「あ、はいっ……澤上桃花っていいます」
とりあえず誠のお兄さんにアイサツしたほうがいいよね、と数秒ほど考えをめぐらせて、あたしは彼にペコッとおじぎをする。
「桃花ちゃんっていうんだ。あ、俺は誠の兄貴の都築実。よろしくね桃花ちゃん」
「……はい!」
誠のお兄さん、実さんっていうんだ。