裏アリ男子にご注意ください!



あたしはそっと心の中に不満を漏らしながら歩く。



あたしの教室から図書室までは遠い。



そして、あと1つ階段をのぼったら、もう少しで図書室に着く……というときだった。



「……はぁ!? なに言ってんだよバカ、期限は1週間だったはずだろ!?」



「……?」



踊り場のほうから、そんな怒り声が聞こえてきた。



しかも、結構な迫力。踊り場にだれかいるんだ。



この階段でしか図書室行けないのに、どうしよう……。



あの声の人に近づくのは怖いよ……。



あたしは本を持ってオロオロしていた。



そしてしばらくすると、その怒鳴り声がやんだ。



よかった……あたしはホッとして息を吐いた。



そのとき。



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