裏アリ男子にご注意ください!
▽爽太くんにおめでとうを言いましょう
放課後になって、あたしはくつ箱で誠を待っていた。
最近はひと目をしのんでいっしょに帰るようになっていた。いっしょに教室を出て帰るとだれかにみられるかもしれないから、時間をずらして会うことにしている。
あいかわらず誠はあたしをからかったりして意地悪だけど、それでもやっぱり好きっていうかなんていうか。
しばらく待っていると、くつ箱の近くのろう下から足音がした。
誠かな、と思ってみてみると。
「あれ、桃花ちゃん」
「あ、爽太くん」
そこにいたのは……爽太くんだった。
そういえば最近、とんと会ってなかったかも。
……って、それよりも!
「爽太くん!」
あたし、爽太くんに言わなきゃいけないことがある。