裏アリ男子にご注意ください!
くつ箱を知らない先輩がとおりすぎていった。きっとさっきの足音の主だろう。こちらには目もくれなかったのでとりあえず安心した。
「じゃ、帰るか。そうだ、映画でもみにいく?」
さっきあんなキスの嵐をふらせたばかりだというのに、誠は平然という。
あたしなんて顔が熱いのに。
「……誠があたしを映画に誘うなんて、絶対にホラーしかみさせてくれないでしょ?」
「ん、正解」
誠は口角をあげてニッと笑って言った。
さっきからあたし正解してばっかだけどこんなにうれしくない正解はない!
「誠の意地悪!」
「あはは。なんだろね、桃花がかわいいから悪いんだよ。ほら、よくあるじゃん? 好きな子はいじめたくなるっていうやつ。それだよ」