裏アリ男子にご注意ください!



「そうよね……」



「わたしたちも聞きたい……」



ヒソヒソ、と声がする。どうやら周りの子も聞きたいらしい。



でも、ここで都築くんとのことを話しちゃったら……あのことをバラされちゃう。



ウソをつくのは苦手なあたしだけど、なんとか言う。



「わわ、わからない!気まぐれじゃない?ほら、都築くんはみんなに優しいし!!」



動揺しまくっちゃった。



でも、なんとかみんな納得してくれたみたい。



「そうよね、都築くんはみんなに優しいものね!」



「だれにだって気分はあるわ!でも、よりによって澤上さんなんてっ……!」



「澤上さんみたいな平凡女子が、都築くんと抜けがけなんてするわけないか!」



口々にしゃべるクラスの女の子たち。



「う、うん……」



たしかにそうだけど、なんか言い方が酷いような?



でも、まぁいっか!うまく誤魔化せたみたいだし!



でもホント、みんなにウソついちゃってごめんね。



罪悪感と葛藤している中、美奈ちゃんはコッソリ微笑んでいる。そして「またこんど聞かせてね」と、どこかうれしそうに囁いた。



どうやら美奈ちゃんはあたしのウソがわかっているらしい。



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