裏アリ男子にご注意ください!



あたしはため息をつきたい衝動を抑えながら立ち上がる。



「都築くーん、いっしょにお昼食べよー?」



「ズルい!都築くんはわたしといっしょにお昼を過ごすのよ!」



「1回でいいの!あたしの愛がこもった手作りお弁当を食べて!!」



相変わらず都築くんは女の子たちに囲まれていた。



クラスの女子だけじゃない。どうやら先輩たちもいるみたいだった。



都築くんはそれを笑顔で上手にかわし、どこかへ行ってしまった。そして、響きわたる女の子たちの悲鳴。



あ、あたし……こんな人気の都築くんとお昼を過ごすの……?



……できれば代わってください。



心の中で思っても、当たり前だけどだれも聞いていない。



そしていつもいっしょにお弁当を食べている美奈ちゃんにひと言ことわってから屋上に向かう。



美奈ちゃんはなんだかニヤニヤして「いってらっしゃーい♪」と言っていた。



……うん、どうやらホントに美奈ちゃんは全部わかってるみたい。



< 46 / 338 >

この作品をシェア

pagetop