裏アリ男子にご注意ください!



うれしすぎだよ、ホント。



安田くんはあたしをよろこばせる天才だ。



「ねえ、安田くん……」



ネコちゃんはすっごくいいにおいするけど、毎日シャンプーしてるの? なんてたわいないことを訊こうと思ったら。



「ちょっと待って」



と、そう言われた。



「え? なぁに?」



なにかあたしに言いたいことあるのかな?



「その、呼びかたなんだけど……」



安田くんは頬をかきながら、どこか恥ずかしげに言った。



「呼びかた?」



それがいったいどうしたんだろう。



……ハッ!



まさか、あたしの安田くんへの呼びかたが気にいらない!?



いつもいつも「安田くん」って呼んでるけど、ホントは「安田さま」って呼んでほしいとか!?



一瞬そう考えたけど、すぐにそれは打ち消した。



……ないよねー、都築くんじゃあるまいし。都築くんはそういうこと言いそうだけど、安田くんは絶対に言わない!



だって、安田くんは完璧王子様だから!



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