裏アリ男子にご注意ください!



「いきなりごめん……でもなんか、そう呼んでほしくて」



「うん、わかった!」



恥ずかしげに言う安田くんがいじらしくて、考える前に答えていた。



「いいの?」



「もちろん!」



だって、そう呼んでほしいって言われてるんだもん!



「……じゃ、俺の名まえ覚えててくれてる?」



安田くんに不安そうに訊かれた。



えーっ、あたしが安田くんの名まえ忘れてるわけないじゃない!



ずっとずっと大好きだったんだもん。



「爽太くん、でしょ?」



でしょ? なんて訊いたけど、絶対にまちがってない。ずっと思いつづけてた名まえだもん。



「よかった。……じゃあ、俺も桃花ちゃんって呼んでいい?」



「はっ、はい!?」



桃花ちゃん!?



あたしのこともそう呼んでくれるの!?



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