裏アリ男子にご注意ください!



───……
───────……



そして、やってきたのは駅。



「あの、都築くん。どこに向かうんですか?」



訊くと、都築くんは唇に人さし指をあてて笑った。



「んー、内緒。楽しみにしてて」



そのイタズラっぽくも王子様的な表情に、ふつうならドキッとするんだろうけど。



……あたしは恐怖しか感じません。



「澤上さんは俺についてくるだけでいいよ」



都築くんはキラキラした笑顔で言った。



「わ、わかりました」



あれ、なんか今日、都築くんが上機嫌……?



さっきからずっとニコニコしてるし。



いつもなら、あたしの前では笑わないのに。



これは素で笑ってるっぽいなぁ。



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