silve shining
 どうしたんだろ。

 でも、早く帰りたいから、司会進行して欲しいなー。

 そんな私の視線に気づいたらしい美樹は、焦りながらマイクを手にとり、今までにないほどの大声量で言った。

「うぃ、winnerは、藤咲葉月です!!素晴らしい戦いで、とても勉強にもなりました!どうぞ、藤咲葉月に盛大なる歓声と拍手を!」

 美樹がそう言うと、拍手喝采がこの広いグラウンドの至る所から聞こえてくる。

 さあ、麗奈が目を覚ました時に、ゆっくりと話を聞かせてもらわないとね。

 約束では、私が勝ったら全部話してくれるって言っていたし。

「お疲れ様、ロキ。ゆっくり休んでね。」

「ああ。そうさせてもらうよ。じゃあな、主。」

 ロキはそう言って、魔法陣の中へ消えていった。
< 219 / 235 >

この作品をシェア

pagetop